電波がつながる。
そんな「当たり前」を守る。

通信基盤事業
東京都心部モバイル通信品質改善
2013年入社
通信基盤EX事業本部
首都圏ワイヤレス事業部門
技術長補佐
宇田川 晃

大都市の通信環境を改善!
緊急対策に挑んだ日々

東京の中心部でスマートフォンの電波が入りにくい。そんな一般ユーザーの指摘を受け、早急に通信環境改善を図ろうとするお客様からの、基地局通信容量対策工事の依頼。これが「東京都心部モバイル通信品質改善プロジェクト」だった。都心部の携帯電話基地局工事は、通信キャリアの管理する鉄塔局がメインの郊外エリアとは違い、ビルの屋上に設置された基地局が多く、ビルオーナーとの折衝に時間がかるケース、ビル入館に事前の申請が必要なケースなど、制約が多い。対策は待ったなしの状況で、現場作業に費やせる時間は限られるなか、日本コムシスの首都圏ワイヤレス事業部門が総力を挙げ、早期の対策完了へと挑む日々が始まった。

01背景

東京中心部の通信品質改善に急ピッチで対応

今や生活の必須ツールとなったスマートフォン。大手通信キャリアが5Gエリアの拡充を図る一方で、東京都心部において、混雑時に電波がつながりにくいという一般ユーザーからの声が日に日に大きくなっていた。当該大手通信キャリアより通信品質改善のための基地局設備工事を任された3社のうち、1社が日本コムシスだった。
このプロジェクトを担当したのが、通信基盤EX事業本部首都圏ワイヤレス事業部門の宇田川である。「2023年春からビルオーナーとの折衝、設計を開始し、現場での実作業は2024年7月から順次着手。同年9月末の工事完了を絶対順守事項として、さまざまな工程が一斉に動きだしました」と、当時の慌ただしさを語る。実施する工事は、基地局ごとのカバーエリアの調整、周波数帯の追加、4G・5Gアンテナの増設。大都市エリアにおいて急ピッチで進める案件に、プレッシャーを感じながらのスタートとなった。

02使命

都市部の制約のなか、
各工程を同時進行で乗り切る

入社以来、モバイル工事の現場から事務所での裏方の仕事までを経験し、現在では東京エリアの現場代理人の一人として、通常200~300件の工事を受け持っている宇田川だが、当プロジェクトの納期を死守するため、工事の進め方に腐心することとなった。「今回のプロジェクトに限ったことではないですが、都市部ならではの制約がある工事は、さまざまな調整が必要になります」。
その一つの例が、あるテナントビルにおいて、物品の搬入時間が利用者のいない早朝5~8時に限られていたこと。このビルでは壁面部分に配線を施さなくてはならず、仮設の足場を組む必要があった。足場の搬入分も含めると、物品の搬入量は通常の工事よりも多くなる。早朝短時間での搬入となると一度では難しく、数回に分けて対応した。足場の設置・解体のため、通常の工事よりも多くの人員と時間を費やした。
一方、分譲マンションの場合は、定例の理事会で工事の承認が必要となるケースも。「理事会の開催時期が遅い場合は、承認後に工事準備を開始するのでは間に合いません。そこで理事会承認後すぐに工事に入れるよう事前にお願いしておき、工事の物品等の準備や人員の確保なども同時に進めていました」と宇田川。通常であれば順に進める工程を先行して進めることで、スケジュールの前倒しを可能にしていった。

03ビジョン

社内外の総力を結集し、
大きな信頼を獲得

当プロジェクトを支えてくれたのは、現場で工事にあたるメンバーはもちろんのこと、工事調整部門、折衝コンサル部門、設計部門といった関係各部署のきめ細かなバックアップ。「例えば、現場で起きたことを工事調整部門にフィードバックすると、関係各部門に確認・調整した上で現場に話を戻してもらえるため、スムーズに工事を進められました。設計部門とは工材や施工について綿密に話し合うことで、厳しいスケジュールの中、無事に完工に至りました。社内のこうした協力体制はもちろんですが、プロジェクトに携わっていただいた協力会社の方々のお力がなければ当プロジェクトの成功はなかったと、心より感謝しています」。
さらに宇田川は「緊急案件の短納期での達成は、これまで日本コムシスが培ってきた技術力とチーム力によるもので、お客様からの大きな信頼につながりました。これからもお客様の信頼できるパートナーとして、日本の通信インフラを支えることに貢献していきます」と、力強く締めくくった。

今後の展望

短期間での通信品質改善を達成、
大きな安堵に包まれる

本工事を終え、試験機で電波がしっかりと入っていることを確認できたとき、現場は大きな安堵感に包まれたという。モバイル通信という重要な社会インフラの構築を担うこの仕事は、常に緊張と責任感が伴う。さらに、今回はお客様の通信品質が問われる重要な緊急プロジェクト。そのプレッシャーから解放されたとき、膨大なタスク管理や数々の努力が報われることとなった。
今、通信基盤EX事業本部では、工事の直営班を置き、若手社員が実際の施工技術を身に着けながら成長していける取り組みを行っている。そこで学んだ施工知識が将来の施工管理の仕事にも繋がり、プロフェッショナルとしての道を極めていけるのだ。さまざまな挑戦を経て一人ひとりが自分のやりがいをみつけられ、社会貢献も実現できる。そんな価値あるプロジェクトが今後ますます増えてくるだろう。