通信インフラの歴史を刻む、その誇りを胸に。
全国の仲間とともに5Gコアネットワーク基盤を構築
通信インフラの発展に直結する「5Gコアネットワーク基盤構築プロジェクト」は、時間との戦いだった。
サービス開始時期は決定事項で工期は延ばせない。5G向けに新たに導入する装置の不具合が見つかるたび、現場が止まる。そして作業時間は減っていく。
仮想化技術を持つ全国の日本コムシスの技術者たちの協力なくして、プロジェクト成功はなかった。
01背景
5Gサービス開始に関わる重要プロジェクト
時代は4Gから5Gへ――。当時、大手携帯キャリアは、5Gサービスの普及拡大と品質向上を目指し、5G-SA(Standalone)のサービス提供を2022年より開始すると発表した。その5Gサービス専用コアネットワーク装置(5GC)の構築工事を任されたのが、日本コムシスだ。
当プロジェクトを率いたのは、以前から仮想化工事に携わっていた小林。「仮想化技術を用いたネットワークの工事はこれまでも経験してきましたが、4Gと5Gでは構築の仕方が大きく変わります。お客様自身も初の導入となるネットワーク機器の開発、検証をしながら進めていくため、想定より時間がかかることが予測できました」。
これは、通信インフラの歴史を新たなステージへと進める重要なプロジェクト。誰もが初めての試みであるため、追加の作業や変更も多くなる。いくつもの課題を抱えながらプロジェクトは動きだした。
02使命
自分たちの手で作ったツールを活用し、品質・納期をクリア
当プロジェクトがスタートして間もなく、チームは納期の壁にぶつかった。「追加工程が発生し、サーバー全台のSSD交換、設定・試験をする必要があり、他の作業にさける時間が1ヵ月ほど短くなりました。これまでの体制ではどんなに頑張っても工期を縮めるのは不可能でした」。そこで、事業本部内で特別な体制を組み、この一大プロジェクトに取り組むこととなった。
大手通信キャリア向けの事業に携わる社員の中で、仮想化技術を持つ技術者は全国に約30名。仮想の工事事務所として協力体制を敷き、連絡を取り合って、数時間ずつ作業を依頼する方法をとった。システムの確認作業は、お客様の商用装置とつなぐ必要があるため、影響が出にくい夜間に行われることが多い。交代で、昼間は準備をし、夜間で試験を行う。全員のスケジュールを把握し、勤務時間に合わせて無理のない範囲で依頼できるよう、管理ツールを社内にて作成した。そして、小林自らが膨大な作業工程を洗い出し、タスクを細分化していった。
「各工程がどこまで完了し、それが正確に出来ているのか、確認できる管理表を作りました。目で確認するのではミスにつながるため、確認作業を自動化。山のようにあるタスクをみんなでクリアしながら進んでいくイメージで作業を遂行しました。さらに装置の設定作業では膨大なコマンドを打っていく作業も自動化し、時間の短縮と品質の確保につなげました」と小林。
作業を自動化した結果、各人の負担やトラブルが軽減され、大幅な時間短縮が可能となった。
03ビジョン
全国の技術者や若手社員と力を結集!
各地で活躍している全国の技術者とつながり、協力し合うことで、プロジェクトは納期通り完納された。今回、他部門も含めた多くの仲間一丸となって短納期のプロジェクトを進められたことで、今後もさまざまな挑戦ができる自信を得ることができた。また、本プロジェクトのメンバーの中には、入社3年目の若手社員もいた。「まだ現場の経験は少なくても、若いからこそ飲み込みが早く、新たな視点からの提案などもあり、逆に勉強になりました」。年代を越え、場所を超え、全員で取り組めたことは、このプロジェクトの大きな収穫のひとつ。小林は5G新サービス開始後、自分の携帯電話に5Gのアンテナが表示された時の喜びを今でも忘れられないという。