心が震えた、
空前の大スケールプロジェクト。

通信基盤事業/社会システム関連事業
東京港横断通信用光ファイバーケーブル敷設工事
2006年入社
通信基盤EX事業本部
首都圏フィールド事業部門
技術長補佐
五月女 智
2011年入社
社会システム事業本部土木事業部
技術長補佐
牧山 智嗣

技術力を結集し、
かつてないスケールのプロジェクトに挑む

2つのチームがタッグを組んで挑んだ、東京港の海底を通し、両岸を最短距離で結ぶ光ケーブルルート敷設プロジェクト。
それは、日本コムシス史上の中でも非常にスケールの大きな挑戦であり、心を震わす戦いだった。
大手通信企業から依頼を受け、長距離に渡り海底に小口径管を築造する難工事に挑戦した精鋭たちの軌跡を追った。

01背景

前例のない挑戦的プロジェクトを始動

日本初となる当プロジェクトは、挑戦の連続だった。東京港を横断する形で芝浦エリアと豊洲エリアを光ケーブルでつなぐ。プロジェクトリーダーを任されたのは、土木事業チームの牧山と通信基盤事業チームの五月女だ。

本プロジェクトでは、牧山が率いるチームが海底に小経口の管路を約2kmに渡って通す。両岸港を最短距離でつなぐため、弧状推進工法で大深度・長距離施工を行う。管路が確保できたら、次は五月女の率いるチームが管内に光ケーブルを通す。マンホール間をつなぐ管内の距離は通常200m程度。通常と同じ方法では今回の約2kmの管内を引く張力には耐えられない。どの工事も前例のない規模感と難易度で、潜在的なリスクも懸念された。

工事のイメージ

東京港横断 弧状推進長:約2,000m

02使命

社内外の力を得て、
皆で壁を乗り越えた瞬間

2つのチームに、それぞれある困難が訪れた。
管路を造る工事では、推進ルート上に松杭(丸太のくい)の存在が確認された。昭和初期に地盤の支柱として打設された松杭だ。「もし松杭を推進機で切削できなければ、工事が頓挫する恐れがありました」と、当時を振り返る牧山。常々「覚悟をもって仕事をしよう」とチームをまとめてきた。リスクはゼロではなかったが、社内外の方々の経験から得た知見をもとに検討を重ね、実現可能性やトラブル時の対処法を熟慮した上で実行に踏み切った。結果、事前に想定した事象を適切に処置し、松杭のエリアを無事に通過することができた。
一方、光ケーブルの実験を繰り返していた五月女のチームは、想定張力目前で光ケーブルを牽引するロープが切れるという事態に頭を抱えていた。社外のメーカーのサポートを得て、光ケーブルを保護する素材、牽引方法を何通りも試し、万が一現場で光ケーブルが切れた時のパターンもいくつも用意した。「仮想の実験では成功したものの、実際に敷設距離が2km近くになったときどうなるのかは未知数でした」と五月女。工事当日は、光ケーブルに急激な負荷をかけないよう5時間程かけて慎重に牽引し、みごと完了させることができた。社内外の方々も現場やカメラを通し、プロジェクトの成功を息をのんで見守っていた。山場を越えたとき、二人とも「正直ほっとしたのが本音です」と語った。こうして当プロジェクトはお客様からの期待に応え、海底部分の工事を無事に完了することができた。

03ビジョン

チーム日本コムシスとして、
さらに躍進

東京港海底横断という挑戦的プロジェクトの成功は、日本コムシスに土木工事から通信工事まで、1社で手掛ける力があることを改めて社内外に示すことになった。近年の通信量の増大による光通信設備需要の高まりを受け、土木から通信工事まで一貫して対応できる体制を持つ日本コムシスの活躍の場はますます拡がっていくだろう。牧山は「小口径推進での大深度・長距離施工を実現できたことで、今後、電気、通信のみならず、浮体式洋上風力といった再生可能エネルギー分野での需要にも応えていけると自負しています」と胸を張る。五月女は「全員が一丸となって取り組んだ最高のチーム。さらに他部署、社外の会社やメーカーの方々にも協力していただき、想像を現実化できました」と顔をゆるめる。牧山のチームでは最終段階で地上にて泥水が出た際、自分の判断で現場を確認していた若手社員が発見し、早期に対応でき、事なきを得たという。「その成長した姿が何よりもうれしいです」と牧山。
我々の仕事は想定外のものを想定すること。困難な局面でも皆で知恵を出し合い、その計画を自分たちの手で具現化し、一品生産の土木構造物を造ること。前例のない工事でも、これまでの経験をもとに試行錯誤して通信を繋ぐこと。この仕事の面白みであり醍醐味だ。そして、新しいことに挑戦したいという多くの力が、チーム日本コムシスをさらに強くしていくことだろう。

今後の展望

これからも、
培った技術をもとに挑戦し続ける企業へ!

めまぐるしく変化する時代、日本コムシスには失敗を恐れず挑戦し続けられる土壌がある。
まだ誰もやったことのないプロジェクトに挑戦できる経験は、何物にも代えがたい喜びとなるはずだ。